能書きを書くのが趣味。

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いじめに遭ったらどうするか?(攻撃+抑止編)

 前の記事で、「もしいじめに遭ってしまったらいかにしてそれを乗り切るか?」という内容について書きました。個人的には「いじめに遭ったらどうするか」というテーマでは、そっちがより大切な内容だと思っています。

 ただ、基本的に受け身の内容で、積極的にいじめを無くしたりする内容ではないので納得いかない人もいるかもしれません。なので今回はいじめに対してより積極的に対処する方法、いじめられている状況を消し去る方法について書きます。名付けて攻撃+抑止編です。

(なお一連の記事の更に前段階で、いじめがなぜ起こるのか?という記事も書いていますので、そちらも参考にしてください)

 

+相手を面白がらせたらいじめが続く

人を押す男の子のイラスト

 いじめ加害者は、いじめを楽しんでいます。

 認めがたいかもしれないし、あるいは言うまでもないかもしれませんが、いずれにしても「いじめは楽しい」です。いじめている相手が泣いたり傷ついたりすると、いじめっ子はますます楽しくなります。悪いことかどうかは関係ありません。いじめは、悪いことかどうかが判らないバカが起こすものだからです。

 逆に言ったら、もし楽しくなくなったらいじめを止めるはずです。いじめ加害者はたいていバカなので、つまらない勉強を辞めるように、つまらないいじめは簡単に辞めるでしょう。いじめをつまらなくすることで、いじめは止めることができる可能性があります。

 

  • 何か話しかけられても無視する。
  • 何か命令されたら断る。
  • 暴力を振るわれても痛がらない。
  • すぐ帰る。

 こういうことをすると、普通の友達でも「なんかあいつつまらない奴だから遊ぶのやめとこうぜ」とかなります。もしいじめ加害者がいじめ被害者に対し「遊ぶのやめとこうぜ」となったら、それはいじめが止まることです。

 

 

+気にしない心が大事

集中して勉強をする人のイラスト(男性)

 とはいえ「相手を面白がらせない」という方法は、ほとんど相手の心をコントロールすることを意味しています。それは人生経験を積んだ大人でも、普通に難しいことで、ある種の技術や才能が必要になります。

 なので、場合によっては完ぺきには上手くいかないかもしれません。ですが上手くいかなくても気にしないでください。というのも「反応が面白くない相手」の筆頭が、特になにも気にしてないやつだからです。

 貴方が相手を面白がらせないために、すぐに帰ってしまったとしましょう。次の日学校に来たら、靴に画びょうが入っているかもしれません。そこで、お前が画びょうを入れたんだろう! と怒ったりすると、入れた人が喜びます。黙って画びょうを靴から取り出して捨てて、入っ手たことすら忘れてしまう。で、今日もまたすぐに帰る。

 そういう淡々とした対応が必要です。相手に興味を持たれないためには、自分のほうも相手に興味を持たない。何も気にしないほうがよいのです。

 

+「力」を手に入れ誇示しよう

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 ハッキリ言ってしまいますが、いじめに遭っているからには「弱者」です。

 というのも、いじめは「弱者=いじめても問題がなさそうな相手」をターゲットに起こります。いじめ被害に遭っているということは、少なくとも「弱そう」に見られています。運動が苦手で見た目的に弱そうに見えたり、勉強が苦手だから皆から舐められていたり、コミュ力不足だからクラス内の立場が弱かったり、性格的に友人が少なかったりするはずです*1

 逆に言えば、いじめたら問題がありそうな強さがあると思われたら、もういじめられることはありません

 そのために広い意味での「力」をつけることです。「力」とはもちろん筋力も含みますが、例えば権力や財力なども含みます。貴方自身の力である必要もありません。

 よくある例を箇条書きにすると、こういう話になります。

 

  • 格闘技や筋トレをしてムキムキになる(殴り返されたらヤバそう)。
  • 相手がいかに悪いかを他の友達に訴え、味方につける(人数に頼る)。
  • 何かあったらすぐ家族や先生にチクる(大人の力を味方にする)。
  • 勉強して超優秀になる(なんだかんだ学校は学力イコール実力です)。
  • 法律を勉強して盾に使う(最強の権力です)。

 

  要は立場が強くなればよいのです*2。こうした力を最初から持っているならば、恐らくいじめられることは無かった。そして今から力を手に入れたとしても、いじめられることは高い確率でなくなるはずです。

 

+「ポケットの中のナイフ」は無意味

世紀末感のある人のイラスト驚く豚のイラスト

 ただし、いじめへの対処として力を手に入れようというときに、注意しないといけないのは、手に入れた"力"の運用方法についてです。この力は、使おうとするのではなく、誇示することを考えてください

 いじめ対策で力を手に入れるのは、相手をやっつけるためではありません。相手がビビってなにもしてこなくなるのを狙うのです。欲しいのは軍事や外交でいうところの抑止力です。

 抑止力とは力を見せびらかしたときに発生するもので、使ったときに発生するものではない。むしろ力を行使してしまうと抑止力は消えて、差し迫った脅威とみなされた結果戦争になります。いじめに関して割と言いがちな意見に「いじめっ子に反撃なんかしたらもっと虐められる」という主張がありますが、だいたい事実と思います。反撃ではなくアピールをすればよいのです。北朝鮮がなぜ核ミサイルを実際に撃たないのかを考えましょう。撃たないでいるほうがいいからです。

 先述の「力」のリストに即して言えば、次のような話になります。

 

  • 相手にケンカで勝つことではなく、見るからに筋肉が大きかったりが大事。
  • 頼れる交友関係があることを、加害者に知らせるようにつとめる。
  • チクれるチャンスを待つのではなく、何かやったら先生にチクると告げる。
  • 隠れた勉強でテストに挑むより、先生の前で堂々と勉強する。
  • 相手を裁判で負かすより、相手の前で110番しようとする。

 

 逆に悪い例をあげると、いじめられた時の対処で最悪な方法の一つが「ポケットにナイフを忍ばせる」ことです。昔のドラマで偶に見られましたが、ポケットの中にナイフをあることをいじめ加害者は知らないのだから、いじめ加害者はいままで通りいじめを続けます。そしていざ本当にナイフを抜いてしまったら、貴方はいじめっ子にとって命を脅かす敵ですから、貴方を殺すつもりで最大級の反撃をしてくる恐れがあります*3

 つまり、使わないと意味がない癖に使えば危険なのが「ポケットの中のナイフ」です。もっと目に見えやすい「力」をアピールしていきましょう。*4

  

+使える大人は使え、使えないなら別の大人を使え

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 自分自身が力をつける他に、他人の力を使う方法もあります。今の時代、いじめは当人だけでなく、教師や大人にとっても大変な問題です。大きな事件になればマスコミに取り上げられて怒られて最悪の場合職を失ったりします。だから、大抵の大人はいじめ対策に協力的です。これを使わない手はありません。

 まず最も簡単な方法として担任の先生に相談する、という方策があります。

 統計的事実として、担任の先生はいじめのことを知ると8割の確率でいじめを止めようとします。この止めようとする試みは、6~7割の確率で成功するか少なくとも一部成功します*5先生に言うだけで、50%の確率でいじめがマシになるのです。これは是非とも試しておくべきでしょう。

 ただしこの話は、先生に言っても50%の確率でいじめは止まらない、もしくは悪化するということでもあります。教師にもいろいろいるので、担任にやる気がなかったり無能だったりすることもあります。なので先生に対してあまり全面的に期待するのも精神衛生上よくありません*6

 でも全面的な期待はそもそも必要ありません。担任の先生でダメならそれよりも偉い人に相談するればよいからです。先生だってまた教室を出れば、教わったり怒られたりする立場ですから、それで改善する可能性が高くなります。教頭先生・校長先生・自治体の教育委員会・PTAの人・いじめ対策専門のNPO組織など頼れる場所はいくらでもあります。

 そうして相談した全ての大人が何もしてくれないなんてことは、まずないです。

 

+最も身近かつ強力な味方「親」

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  先生に相談する他にできれば使っておきたい相談先は、いじめられている本人の両親です。

 いじめ被害を受けた生徒は、しばしば両親にそのことを秘密にするのですが、これはどう考えても良くありません*7。まず大抵の親は子供の味方です。担任の先生よりも、解決に協力してくれる可能性はずっと高いです。それに抵の親は子供よりも「力」があります。学校にとっては金を払っているお客なので学校に文句が言えるし、いじめっ子の親と対等に話したりもできるし、なんなら物理的な力だって子供よりは強いことが多いです。

 なにより、なんだかんだいって親は子供の人生を一部コントロールしています例えば親には「転校」という手段で無理やりいじめを解決することが可能ですが、子供にはできません。子供には転校するかどうかを決める権利がないからです。親の協力を得ないことは、言うなれば「自分というマシンの操縦が一部出来ない状態で戦う」ようなものです。右半身の操縦ができないガンダムで敵と戦うのは無謀といっていいでしょう。だから、是非ともいじめに遭ったら、親にそのことを相談して、何らかの協力を取り付けておかないとならないのです。

 あと、これは心構え+防御編で挙げた内容ですが、家族に自分が辛いことを受け入れてもらうとストレスを解消できます。逆に秘密を持つとストレスが貯まります。これも非常に大切なことです。*8

 

+いますぐ解決できないことは永遠に解決できないことではない

 

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 以上のような取り組みで、だいたいのいじめは解消できます。

 しかし注意しておかないといけないのは、こういう取り組みが効果を発揮するには時間がかかるということです。他人の態度を変えるのは普通に難しいことだし、「力」が一朝一夕の努力で付くなら苦労はないし、先生や親にだって相談されたからとすぐさまいじめを消し去るような真似はできません。今日いじめで辛かったなら、たぶん明日も同じように辛いでしょう。

 しかし、それでも即効性を求めないでください。例えば残りの人生全てを犠牲にすれば、明日の辛さを消すことはできるかもしれません。しかし犠牲にしなくても解決できるのだからそうすべきです。

 明日いじめが辛かったとしても、永遠に辛いわけではないということを、肝に銘じておきましょう。いじめはコミュニティの中で起こることですが、永遠に現状のままであるコミュニティは存在しません。

 ここで述べたのは、自分の努力によってコミュニティに変化をもたらす方法です。

 

 これで一連のいじめ関連ブログを終わります。

*1:もちろん、それは別に悪いことではありません。その人にも今いる場所では発揮できない長所があり、別の得意なことをして人の役に立つことが必ずできます

*2:ここで箇条書きにした他の「力」としては、財力にものを言わせて相手の親の会社を買うだとか、政治力を駆使してクラスの皆を扇動するだとか、超能力を身に着けて相手を攻撃するだとかも考えられますが、普通の人には不可能でしょう

*3:そればかりかポケットの中のナイフを使うと味方にすべきだった警察の権力を敵に回すことにもなります。あと武器は筋肉と違って奪い取ることができるので実はリスクが高い「力」です

*4:一つ注意があるとすれば、自分に力があるぞとアピールをするというのは、正直言って嫌な奴の行動です。ただ、今回はいじめられているという前提ですから、いじめ加害者から友達扱いされなくなって、完全に無視してくれたら、いじめはむしろ解決です

*5:なおこの統計は1999年の書籍に載っていたもので、いじめ対策が教師陣にも浸透してなかったころですから、2017年の現在はもっとマシです。

*6:いじめ被害者の告白には割と頻繁に無能だった教師への恨み節が登場します。

*7:生徒が両親にいじめを秘密にしたくなるのは、いじめが小5~中3にかけて多くなるためだと思われます。この時期は子供が両親から自立したくなる時期でもあります。

*8:注意点として、味方になってくれないタイプの「親」は確実に存在します。その場合は、いじめ対策と別の対策を並行して探さねばならないでしょう。